どききゅあブログ

食べたものとか乗ったものとか、いろいろな日記です。

The Golden Lore 冒険者パピィ・テンからの手紙

やっほー! お姉ちゃんだよー!
それはさておき、愛する妹よ。よく聞くように。
あ、ちゃうわ。手紙やし。よく読むように、やね。
まーええか。とにかくそういうことなんで、よろしく。
ソランのことやし、薄々気付いてるかもしれへんけど、お姉ちゃん、冒険者になってん。
働いてた旅籠にそのまま泊り込んでるから、連絡先は変わってないんや。
その証拠に、ソランの手紙にもちゃんと返事出してたやろ?
お姉ちゃん偉い?
えっと、それはともかく。
なんでこんな手紙を書く気になったかいうと、…話せば長くなるので省略してええか?
え? 省略すんな? しゃーないな。
こないだね、いっしょに冒険に行った人が、亡くなってん。
目の前で。
お姉ちゃん、何もできんかった。
自分の剣をふりまわすだけで、精一杯やってん。
その時はただ情けなくて、辛くて、哀しくて…しばらく泣いてから、気付いたん。
今まで、超巨大ムカデとかも楽勝で倒してきたし、あんまり実感なかったんやけど、冒険者って、危ない商売なんや。いやマジで。
いつか、いやいや、万が一にもないとは思うんやけど、億にひとつぐらい、あるかもしれない。
お姉ちゃんが怪物に倒されてしまう、ってことが。
ぶるぶるぶるぶる(←首振ってんねんで)…だいじょうぶ! だいじょうぶ! ないない。
でもなー。旅籠のおかみさんが言わはるんや。億にひとつも、兆にひとつも、ゼロとは違う、って。
ちゅーわけで、この手紙にいたる。告白終わり。
今回の手紙の宛名が、いつもと違うてソランだけになってるんは、父さんと母さんには秘密にしといて欲しいからやねん。
わかってる思うけど、告げ口したら、お姉ちゃん怖いでー。
まー、お姉ちゃんががんばってる限り、ぎょうさん仕送りしたるさかい、父さんと母さんに楽な暮らし、さしたってな。
頼むで。
パピィお姉ちゃんより。


そうそう。追伸ね。
えー。このたび、お姉ちゃんは、心機一転がんばるべく、エプロンを新調しました。
今までのエプロンは、さすがに元の色がわからんぐらいにぐちゃぐちゃになってもうたしね。
おかみさんは、それでも、洗濯して繕っといてくれるいうてたけど。
さて、明日からは新しい冒険に出発や。おニューのエプロンでな。
そう、このエプロンこそがお姉ちゃんの戦闘服。
吉報を待てー!

いつもの仕送りのかわりに、手紙といっしょに入っていたのは、ぼろぼろになったエプロンでした。
そして、もう一通…
パピィ・テン