どききゅあブログ

食べたものとか乗ったものとか、いろいろな日記です。

映画ふたりはプリキュア Splash☆Star チクタク危機一髪

レビュー、その2です。引き続き、ネタバレ注意。

独断レビュー(2)

日向家の上空の空に羽根と花びらが舞って、そのままシームレスにオープニングに突入します。これもいいですね。
オープニングは、最初のうちはテレビ版のままですが、タイトルが出てから、映画本編に戻ります。主題歌を背景に、台詞がないままドラマは進んでいきます。
待ち合わせ場所に向かって必死に走る咲と、待ち合わせ場所を離れていく舞が交互に映されて、緊張感をあおります。
時間が過ぎても待ち合わせ場所を動かないのは、待ち合わせの基本中の基本。舞はこの時点で禁をおかしています。
荷物を持って公園の外に出る舞。荷物を持っているというところに、待ち合わせ場所を離れるという明確な意思が表れています。
そして道路に出て左右を見る舞。表情から推測すると、車が来ないかどうかを確認しているわけではなさそうです。咲、来ないかな。
しかし次の瞬間、舞は道路の向かい側にある時計店が気になってしまいました。そこにはトキタ時計店という古びた時計店があったのです。時間を気にしてイライラしてい

たということの、舞らしい表現でもあると思います。こういうことは意外に本人は気付かないものです。
階段を駆け上がる咲に、バッグから顔を出したムープとフープが何か言っています。一瞬立ち止まって、困った顔で何か言い返している咲。ここの台詞は聞いてみたいです

ね。
10時25分、興味深そうに時計店の中を外から覗いている舞。ここまでにしておけばよかったのに、一番奥にある大きな時計が目に入ってしまいます。今回、重要な役割を果

たすことになる時計です。ここから、5分刻みで時計が登場します。緊迫感、緊迫感。
10時30分、下り坂を駆け下りる咲。それにしても、咲の走っている場所は登り坂だったり下り坂だったり細い路地だったり、まともなところがほとんどありません。極端な

街です。というより、急いでいるということを強調するために、そういう場面ばかり選んだのかもしれませんね。
ただ、下り坂をゴロゴロころがっていくのは、さすがにやりすぎのような。
舞はついに時計店の中に入ってしまいます。そして、店主が問題の時計のネジをまくところを見学しています。この時点で10時35分。緊迫感がなさすぎます。
10時40分。公園の大時計がその時間をさした時、主題歌が終わります。ここまでのストーリーを、台詞なしでオープニングの中ですませてしまうというのはナイスな手法。

今回、時間が短いですしね。


大時計の下に、舞を呼ぶ咲の声。そしてすぐに、咲が走ってきます。これだけ走っても息がほとんどあがっていない咲。咲のすごい体力を実感します。
すぐに場面が切り替わって時計店の中。舞と店主の会話の際、時計は10時37分ごろをさしています。公園の大時計、少し進んでいるようですね。ここの会話も重要。店主の

「止まってしまう」という台詞が特に。
うろうろする咲は、フラッピに時間を聞きます。やはりフラッピは時間がわかるのですね。道中ずっとこの調子でフラッピに時間を聞き続けたのでしょう。合理的と言えば

合理的。
この時、うろうろしている咲のすぐ上に大時計はあったのですが、それをフラッピは指摘します。大時計下で集合、という待ち合わせだったはずなので、このやりとりで、

咲がいかに取り乱していたかがわかります。
大時計は10時41分。「絶対間違ってるってこの時計」と咲。間違っているのは確かですが、わずか2〜3分。寝坊した自分のことを棚にあげて、時計にまであたってしまう咲

はちょっとおとなげないかも。
咲が駆けだす先にはトキタ時計店。大時計を信用せず、他の時計を見てみようとしたわけです。フラッピ時計も信用してないわけですね。
ここまで咲は、時計を徹底的に敵に回しています。時計店に入ってしまって時計に親しみをみせている舞とは対照的。
今回のモチーフである「時計」に関して、正反対の立場に立つ咲と舞。この後に起きることが、すでに予想できます。
咲も、道路に出る前に左右を確認していました。これは純粋に車が来ないか確認しているのでしょう。映画を見ている子供たちへの配慮、ということだけではなく、気がせ

いている時でもこういうことに手を抜かない咲の性格が表れていると思います。
そして、店の外にある時計で時間を確認しようとした次の瞬間、咲は店内にいる舞を見つけます。
ここ、重要ですよ。テストに出ますよ。
咲が、舞を、見つけたのです。
店に飛び込んでいきなり舞をなじる咲。でも、店主へのあいさつは忘れません。律義な咲。律義なのに、舞にだけは杜撰な対応をする咲。舞への甘え?
そして、偉そうに舞を怒る咲。何様的な感じで、これはやはり、甘えなのでしょう。舞もさすがになじりかえそうとします。でも、それを無視して咲は舞の手をとって走り

始めます。人の話はちゃんと聞きましょう。
「時間はたっぷりあるっちゅうのに」と店主が言った時の時計の針は10時42分ごろ。それにしても、「ごろ」っていうのがいかにもアナログですね。そういえば、目覚まし

時計も公園の大時計も、時計店の時計も、みんなアナログ。


手を離して走るふたり。走る速度が違います。舞がだんだん遅れます。あれだけ走ってきた咲、無尽蔵の体力です。
ここから後、咲と舞の運動能力の差を表現する場面が続きます。ふたりの差が性格だけではないこと。これは後で重要な意味を持ってきます。
巨石がころがる場所に「近道」と言って突入する咲。舞の運動能力が自分より劣ることを、まったく考慮していません。
舞は躊躇しつつも、後に続きます。舞は「ほんとに近道?」と聞くのですが、咲はその質問の真意を理解できず、「近道」とだけ答えます。舞はそんなことを言いたいので

はなく、自分には無理だということを遠回しに言ったつもりなのでしょう。
石から石に飛ぶ飛び方も、咲と舞で異なります。おかなびっくりの舞が、見ていてかわいそう。
駆け下りてきたら今度は川。
「川じゃない」と困る舞を無視して、川を渡ろうとする咲。
そこに、男の声が聞こえて、チャプター2が終了です。