どききゅあブログ

食べたものとか乗ったものとか、いろいろな日記です。

宇宙戦艦ヤマト 復活編

ヤマト復活編、これはひどい
CGはきれいなのだが、あのレベルなら最近はテレビでもやっている。
 
全体的な感じをわかりやすくいえば、グレンラガンマクロスF
もちろん両方テレビ版だ。それぞれの劇場版の完成度には及ぶべくもない。
最近の人気アニメに影響受けすぎ。
アニメブームを切り開いた最初のアニメとしての矜持はないのか、と問いたい。
 
脚本も、とにかくひどい。
人間ドラマも政治ドラマも三流どころか五流がいいところ。
例によって、突っ込みどころも満載。
おいおい、と突っ込みたくなるのが二度や三度ではない。
 
でも。…と、ここで冷静になってみる。
自分を含めた、昔からのヤマトファンに聞きたい。
あなたたちの好きだったヤマトは、突っ込みどころ満載じゃなかったか?
5分に1回はオイオイとつっこんでなかったか?
それで、楽しくなかった? おもしろくなかった?
楽しかったでしょ? おもしろかったでしょ?
 
たとえば、ヤマトのテレビシリーズの素材を渡されて
自分なりの総集編作ってみろって言われたら
第三艦橋を復活させないでそのままにしておく?
太陽系の惑星をヤマトや敵の進行方向に一列に並べるのをやめる?
第三艦橋は何度でも復活させるでしょ? 惑星は一列に並べるでしょ?
 
結局、ヤマトって、様式美ともいえる突っ込みどころを楽しみつつ
絶望的な状況で奮闘する戦艦の美しさを見るためのものじゃないかな。
そういう意味では今回のヤマトはすごかった。
 
今回のストーリーの中で、ヤマトはその戦い方で人の心を動かさなければならなかった。
感動的な音楽で盛り上げて、ご都合主義な展開で、そう持って行くこともできただろうに
この映画はそうしなかった。
ここでヤマトは、本当にすごい戦い方を見せてくれた。
あれこそが戦艦。ヤマトは宇宙船ではない。宇宙戦艦なのだ。
 
脚本がひどい、と先に言ったが
よく考えれば今の時代、もっとまともな脚本を作ることはできたと思う。
でも、ヤマトに求められているのは、いい脚本などではない。
まず何よりも、「ヤマト」でなければならない。
そう。あれはわざとだ。故意に違いない。
 
なお、最後のクレジットが出た瞬間
あちこちで失笑が漏れたのを、私は聞き逃さなかった。
わかる。すごくよくわかる。
しかし、君たちは忘れてしまったのか?
あれもヤマトの様式美のひとつだということを。