どききゅあブログ

食べたものとか乗ったものとか、いろいろな日記です。

さようならカップヌードル


いつも、君はそばにいてくれた。
食費が足りない時、時間がない時、暖まりたい時、そして、とにかくカップヌードルが食べたい時。
遠い昔、カップヌードルがまだ高価な食品だった頃から、私は君を愛し続けた。
誓って言う。今まで食べたカップ麺の半分以上が、カップヌードルだ。シーフードやカレーを含んだ比率ではない。本家のカップヌードルだけで、その比率なのだ。
 
カップヌードルは、カップの中で、全てが完成されていた。熱湯を注ぐだけで、それは完璧なものになった。
その完全なるカップヌードルには、ダイスミンチ(謎肉、謎の肉とも言われる)はエビ(プーバラン)とともに必須だ。ダイスミンチとエビが入っていないカップヌードルなど、考えられない。
ダイスミンチやエビの数に一喜一憂することはあっても、入ってないということは、今まではあり得なかったのだ。
1分、2分、3分と待ち時間を変えれば、ダイスミンチはそれぞれに全く違う食感と味を見せてくれる。1分ならポロポロとしたそぼろのような食感。3分ならスープがよくしみた挽肉のような食感。
そんな楽しみも、ダイスミンチにはあった。
ダイスミンチがたくさん入っていたら、なんとなくシアワセな気分になれた。
 
しかし、明日からは違う。
ダイスミンチは、コロ・チャーというものに置き換わってしまう。
ダイスミンチがカップヌードル・ファンから愛されていることはメーカーもよく知っているはず。
しかし、おそらくはコストの関係からダイスミンチは維持できなくなってきたのだろう。コロ・チャーは、おそらくダイスミンチよりも原価が安いのではないか。そうでなければ、わざわざ変更する必要はないだろう。
厳しい不況が続く中、メーカーとしては苦渋の決断だとは思う。一消費者にしか過ぎない自分には、今回の決断を否定することはできない。
 
だから今は、ただ、笑顔で別れのことばを送ろう。
カップヌードルに涙は似合わない。
それに、きっといつか、君は帰ってきてくれる。そう信じているから。
ありがとう、そして、いつまでも愛してる。
 
写真は今日食べたもの。最後の一杯だ。
なぜか、いつもよりしょっぱい味がした。